カラスの恐ろしい習性が、私のこの怖い体験談につながったのかもしれません。   子供時代、よく、友達と集まっては、怖い話をしたものです。 私は、とても怖がりです。   しかし、あの怖い話を聞いたときの、 […]

カラスの恐ろしい習性が、私のこの怖い体験談につながったのかもしれません。

 

子供時代、よく、友達と集まっては、怖い話をしたものです。

私は、とても怖がりです。

 

しかし、あの怖い話を聞いたときの、ぞくぞく感がたまらなく好きなのです。

 

夜にトイレに行けなくなるのに怖い話が好きでしかたないのですから、怖いもの見たさ、というのは本当に厄介なものです。

未だにその性格は変わっていません。

 

そんな私が一番怖いと感じたのは・・・カラスのこんなおはなしです。

 

記事は下に続きます。

カラスが寄ってきたのは・・・

小学校5年生のときのことです。

 

同じクラスには、私と同じような「怖い話好き」が何人もいました。

 

そこで家庭科の授業になると、いつも同じメンバーで集まって「怖い話」をしていたのです。

実技の時間なので、作業さえ続けていれば、先生に怒られることもありません。

 

そのため家庭科の授業は、いつも楽しみだったものです。

 

  • テレビで見た話
  • 本で読んだ話

 

小学生のする「怖い話」ですから、内容は、その程度のものでした。

きっと作り話も数多く混ざっていたことでしょう。

 

さて、私たちが通っていた小学校は、城跡に建てられていました。

 

私の在学中に110周年の式典があるほど、歴史がある、古い木造の小学校でした。

長い歴史を誇るだけあって、学校にまつわる怪談も多かったものです。

 

先生や先輩から、頻繁に怖い話を聞かされていました。

 

学校の近所には、大きな森と、神社がありました。

森と神社は昼でも薄暗い場所でした。

 

普通ならば、子供たちには格好の遊び場となるような場所です。

しかし、あまりの暗さに、そこで遊ぶ子供は、ほとんどいませんでした。

 

そんな私たちの小学校には、家庭科室がありました。

家庭科の授業は、教室ではなく、家庭科室に移動となります。

 

その家庭科室の窓からは、例の森と神社がよく見えたのです。

小学生時代の記憶ですが、今でも、それだけは、はっきりと覚えています。

 

そして、あるとき私たちは異変に気付いたのです。

 

「カラスの数が、すごすぎる。家庭科室に入ったときは、全然いなかったのに」

 

怖い話をしていたメンバーのうち一人が、窓の外を見て、そう言ったのです。

言われて、私も窓の外を見ました。

 

すると確かに、森や、神社、その周囲の電線に、びっちりとカラスが並んでいたのです。

どういうわけか、みんな、こちらを見ているように感じます。

 

家庭科室に入ったときは窓の外を見ていなかったため、友人の話が本当かは不明です。

そのため、きっと気のせいだろう、ということになりました。

 

それでも何となく気味が悪く感じたものです。

よく神社や森には大勢のカラスが集まるものですが、とにかくすごい数だったのです。

 

それから家庭科の時間になると、窓の外を観察するようになりました。

 

そして、怖い話を始めると、いつのまにか、窓の外がカラスだらけになっているということに気付いたのです。

 

もちろん、怖い話をしていたメンバーは、各自気付いていたようです。

 

しかし誰も話題には出しませんでした。

怖かったからです。

 

そして、それを声に出すことで、何かが起こってしまうのではという、恐怖心にも駆られていたんだと思います・・・

 

 

それでも数週間は怖い話を続けました。

 

やはり授業が始まったときはカラスの姿はなく、怖い話を始めると、どんどん増えていくのです。

 

カラスの集合時間と家庭科の時間が一致しただけという可能性もあります。

 

しかし怖い話をしている最中どうにも見られているような感覚に陥ったのは事実です。

 

誰からともなく

 

「もう怖い話を家庭科室でするのはやめよう」

 

ということになりました。

すると、それ以降は、家庭科の授業中に、カラスが集まることもなくなったのです。

 

「カラスが来なくなった」

 

ということに気付いた瞬間が一番怖かったものです。

 

怖い話をすると霊が寄ってくると聞きます。

 

実際に霊が寄ってきていたかどうかは、見えない私には分かりません。

しかし、怖い話をしていたからカラスが集まってきたのだろうと今でも思っています。

 

考察とまとめ

カラスが寄ってきたのは、一体何故だったのか、私なりに考察してみました。

で、その結論を一つ。

 

カラスは、元々人の血肉をついばみ食らう鳥です。

そして、人の死には漂うものです、恐怖と悲しみなど負の感情が。

 

カラスたちは、子どもたちが怖い話をすることで集まってくる恐怖などの負の感情を嗅ぎつけ、集まってきたのではないでしょうか。

 

幸いにも、彼らは途中で話を止めているため何も起きませんでした。

しかし、もし話を続けていて、もっともっと恐怖の感情を集めるまでに至っていたら・・・

 

彼らは、カラスに死肉へと変えられていたかも、しれませんね。