ドクターストーンの主人公は、一体どっちなのでしょうか。 第1話の時点では、ドクターストーンの主人公といえば千空よりも、むしろ大樹でしたよね。 しかし、ここ最近のお話を見ていると、どう考えても大樹は主人公では […]
ドクターストーンの主人公は、一体どっちなのでしょうか。
第1話の時点では、ドクターストーンの主人公といえば千空よりも、むしろ大樹でしたよね。
しかし、ここ最近のお話を見ていると、どう考えても大樹は主人公ではないような・・・
その理由も含めて、詳しく考察していきます。
ドクターストーンの主人公はどっち?
2019年の夏にアニメ化する事が決まった『ドクターストーン』。
- 冬アニメの『約束のネバーランド』
- 春アニメの『鬼滅の刃』
と、クオリティの高いアニメが続いているジャンプ作品の次の作品として、注目している人も多いのではないでしょうか?
ドクターストーンの主人公は交代した!?
これまでドクターストーンという作品を知らなかった人がどんな話だろう?と思った時、まずする事のひとつとして、公式サイトのチェックがあります。
週刊少年ジャンプの公式サイトでは、連載マンガのそれぞれの作品のページにいけばその作品の第1話が無料で読めますから、それを読んでみてどんな雰囲気・キャラクター・ストーリーのマンガなんだろう?と確認する事が出来ます。
それを読んで、自分の好みの作品かどうか、面白そうかどうかの判断をする人も少なくないですね。
そしてそれを判断する上での材料として、主人公の存在はかなりの比重を占めているのではないでしょうか?
世界観が好みでも、主人公が嫌な奴だったり共感出来ないキャラだったりしたら、それだけで読む気が薄れてしまいます。
逆に主人公が好感が持てるタイプなら、多少ストーリーが破天荒になっても読み続ける人が多くなります。
ですから、どんなキャラクターが主人公なのか見極める為にも1話をチェックするのは重要な作業になります。
けれど時々、ほんの数話で主人公が入れ替わってしまう作品があります。
『Dr.スランプ』や『エロイカより愛をこめて』が有名ですね。
連載前に予定していた主人公・展開より、もっと受けるキャラクター・路線があると判断された場合、予定していたキャラクターや路線が定着してしまうまえに人気が出る可能性の高い方にシフトチェンジするのは賢明な判断だと思われます。
そして、実はこの『ドクターストーン』もそういった主人公の交代劇が起こった作品のひとつなのです。
公式サイトから1話を読むと、想い人・杠に告白すると親友・千空に告げる大樹からスタートします。
告白すると決めて、クスノキの下に呼び出しいざという時に世界が石化。
身体が石になったまま失いそうになる意識を、杠を想う事でなんとか数千年保ち続け、ようやく石化が解けると必死に石化したままの杠を探し出す。
そして自分より半年早く石化が解けた千空と落ち合い、文明を取り戻すという千空と共に、杠を助け出すと誓う大樹。
モノローグも全て大樹の視点から行われており、1話を読む限りでは大樹を主人公としたサバイバル系の恋愛ものというストーリーが予想されました。
けれどその主人公だったはずの大樹は、15話以降出てこなくなってしまい、千空を中心に物語は進んでいくようになってしまったのです。
大樹はもう主人公でない理由は漫画の人気?
第1話では紛れもなく主人公であった大樹。
けれど、なぜ主人公でなくなってしまっただけではなく、物語からも消えてしまったのでしょうか?
1話の段階では千空が
「俺ら高校生のガキ二人でゼロから文明を作りだすんだよ」
と語っており、知識の千空・力の大樹という役割分担で、文明のなくなった世界で生きていくといったストーリーを想定していたはずです。
そして1話の段階で大樹が石化した司に気づくシーンがありますから、3話からの司の登場と敵対もまた当初から予定していたものだと思われます。
けれど実際はそれらの要素はなくなり、しばらくは石神村での化学王国作りの話が続いていきます。
なぜなのでしょうか?
まずひとつ目の要因として、ドクターストーンならではの人気の要素が次々に出てくる科学の知識という事です。
文明が荒廃した世界で数人の現代人たちが生き抜いていくというストーリーは、その後の数人の中での対立も含め決して珍しくないものです。
ドクターストーンとほぼ同時期、この6月28日から配信が始まるアニメ『7SEEDS』もまさにそういった作品です。
つまり当初予定していたサバイバルと人間関係が中心のストーリーでは、
- 他の作品との差別化
- 人気
両方の面においていまひとつとなってしまったのではないでしょうか。
そして2つ目の要因は、大樹の能力を体力に全振りさせてしまった事です。
考える事は千空が、材料を集めたり何かを作ったりは大樹がという役割分担はよかったと思いますが、大樹があまりにも科学に興味がなさ過ぎでした。
千空が何かを説明しようとしても、
「聞いてもわからんからいい!」
と拒絶して、
「千空の言う通りにしていれば間違いない!」
と無条件に妄信する。
それは2人の信頼の証でもありますが、しかし読者に千空がやろうとしている科学の魅力が伝わってはきません。
読んでいる人たちは、
千空が次に何をやろうとしているのか?
それはどんな仕組みなのか?
どんな材料から何が出来上がるのか?
それらが楽しみで、ワクワクしているのです。
その魅力を引き出す為には読者と共に千空のやろうとしている事に興味津々でワクワクして、そして読者の代わりに千空にこれはどうなっているのかと聞いてくれて、そして読者と一緒にビックリする、そんなキャラクターが必要でした。
そのため、千空のそばにいるのは大樹ではなく、
- 科学に興味津々だけど現代科学の知識がないクロムやカセキ
- 現代人としての知識はあるけれど、今の石化した世界で自分たちが使っていた物がどうやって再現出来るのかわからないゲン
彼らでなければならなかったのです。
つまりドクターストーンの最大の人気要素・科学の力でものづくりを最大限に活かす為には、大樹が主人公のままでは適わなかったのです…
まとめ
結局、大樹は8巻になってようやく再登場しました。
司帝国にスパイとして潜入していた大樹と杠は、ここから始まる司帝国との戦いにおいて重要なキャラクターであったはずです。
けれど1巻からのテーマであったはずの司帝国との対決は思っていたよりあっさりと終わり、すぐに次の章に入ってしまいました。
結果として大樹の活躍はそれほどは描かれませんでした。
やはり、この作品に求められているのは、ドロドロ人間関係ではなく科学でワクワクなのでしょう。
その為に主人公の座から落ちてしまった大樹。
今はちゃんと千空と合流し、体力担当として活躍していますが、やはり千空のパートナーというよりは脇役のひとりとなってしまっています。
(追記:5/14現在、再び石化させられています)
けれどいつかまた、メインで活躍する事を期待します。
杠との恋の成就的な展開はぜひ見たいですから!それが訪れるのが今から楽しみです!