記事は下に続きます。 Contents1 千と千尋の神隠しのカオナシの正体を考察!1.1 カオナシの正体はサタン!?1.2 カオナシの正体は人間の欲望そのもの!?1.3 カオナシは誰の心にもいる!?1.4 カオナシは若者 […]

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千と千尋の神隠しのカオナシの正体を考察!

千と千尋の神隠し」と言えば、知らない人もいないくらい有名なジブリのアニメ映画ですよね。

2001年に公開され、興行収入はなんと308億円!!

 

この数字は「タイタニック」や「アナと雪の女王」、「君の名は」と言った社会現象を巻き起こすほどの数々の人気作品を抑え、現在も日本歴代興行収入堂々の第一位です。

そんな「千と千尋の神隠し」に登場するカオナシ

 

黒い体に白いお面。

「ア・・・ア・・・」とか言いながらモノをくれようとする「良いヤツそうなキャラ」だと思いきや・・・

 

カエルをはじめ登場人物を次々と丸飲みするシーンでは底知れぬ恐怖を覚えた人も多かったのではないでしょうか?

今回は、そんなカオナシの正体について考察したいと思います。

 

カオナシの正体はサタン!?

実はカオナシの正体はサタン(聖書に登場する悪魔)なのではないか?と言われています。

これにはいくつか理由があります。

 

1つは千尋がカオナシや坊たちと電車に乗って銭婆の元へ行く時に車窓に映る文字です。

窓の外には色々なものが見えるのですが、なんと画面左端に一瞬だけ「サタン」という文字が見えます!

 

この文字は見きれていますし、コマ送りにしないと見えないくらい短い間なので、普通に見ていたら見落としてしまいますが・・・

わざわざ「サタン」という文字を入れたのには何か訳があるとしか思えないということで、その他の根拠も含め、カオナシの正体のことなのでは、と言われています。

 

また、電車に乗って千尋たちが向かう「沼の底」も、カオナシがサタンと言われる理由の1つです。

この「沼の底」は6つ目の駅なのですが、「6」は悪魔の数字だと言われています。

 

そして、最終的にカオナシだけはこの沼の底にある銭婆の家に残ることになるのですが、聖書の中で、サタンが最後に行き着くのは「底知れぬ所」。

・・・カオナシ=サタンと考えれば、カオナシが最後に辿り着いた沼の底は「底知れぬ所」ということになりますね。

 

このように聖書とリンクしているような部分もあるため、「カオナシサタン説」はかなり濃厚になっています。

最後に、後述しますがカオナシは欲望の塊、象徴だとも言われており、サタンも聖書の中ではキリストたちをそそのかした悪魔という扱いです。

 

カオナシとサタンにはこういった多くの共通点が見られるので、サタンをモデルにしたのではないかと言われています。

カオナシの正体は人間の欲望そのもの!?


カオナシは何も無いところから砂金を生み出す魔力(?)を持っています。

この力を利用し、カエルを誘導して丸飲みしたりして、油屋の従業員たちを惑わします。

 

ちなみに自分を気に掛けてくれた千尋もこういった能力で手に入れようとしますが、それには失敗していますね。

とはいえ、カオナシは「他者の欲」を利用し、自分の欲しいものを手に入れるのです。

 

そんなカオナシの姿が人間の欲望を写しだしたようだと言われています。

手から出てくるのが「砂金」というのも、お金への欲が深い人間の心の黒い部分を投影しているようで、イヤですね。笑

 

カオナシは誰の心にもいる!?


「千と千尋の神隠し」を手掛けた宮崎駿監督によると、「みんなの中にカオナシがいる」のだそうで・・・

欲望だとか悪い心だとか、そういった人間の黒い部分をカオナシというキャラクターで描いたのではないでしょうか?

 

体も黒いですし・・・笑

また、カオナシは汚い欲と共に誰かに気付いてほしい、居場所が欲しい、という寂しい部分も持ち合わせています。

 

これも人間誰しも少しは持っている感情です。

そう思うと、カオナシは人間の「心」というよりも「人間そのもの」を描いている可能性も考えられますね!

 

カオナシは若者のメタファーだった?


現代の若者の特徴を見てみましょう。

 

  • 情報社会の中で多くの情報に惑わされ、自分の意見を持っていない
  • 多くの情報源があるため流行にますます敏感
  • 量産型のメイクやファッション、ヘアスタイルなどを好み「個性」を捨てている
  • SNSなどの発達によりコミュニケーション能力が低下している
  • コミュニケーション力がないので気に入らないことがあると暴れる
  • 困ったことがあると人に頼ったりお金で解決しようとする

 

もちろん全員がそう!という訳ではありませんが、今の若者たちにはこういった印象を抱かずにはいられません。

そしてカオナシは

 

  • 自分の言葉で話せないので誰にも理解されない
    (=コミュニケーション能力がない)
  • 砂金で他者を操ろうとする
    (=お金で解決)
  • 自分の意にそぐわない千尋を追いかけ回して油屋を荒らす
    (=気に入らないと暴れる)

 

・・・どうですか?

いかにも「今時の若者」という感じの行動を取っていますよね。笑

 

また、上映時のパンフレットのカオナシの説明には「他人の声を使わないと意志を伝えられない・・・主体性がない」といった記載があったそうです。

「ア・・・」しか言わないし、めちゃくちゃコミュ障ですね、カオナシ・・・

 

そしてカオナシという名前に、真っ黒な姿、能面のような顔。

これも「個性」の感じられない現代の若者を表現しているような印象です。

 

かと思えばとんでもなく個性的な人もいますけどね・・・

若者は極端です。

カオナシのモデルは一体誰?


実はカオナシにはモデルとなった人物がいると言われています。

それは「借りぐらしのアリエッティ」の監督を務めた米林宏昌さん。

 

この話は「アリエッティ」ヒット祈願のイベントの際に、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーによって語られたのですが、「千と千尋」と「アリエッティ」の2作品で声優を務めた神木隆之介さんも「会った瞬間、『あっ、カオナシだ』って」と、便乗してコメントするほとでした。

 

ネットで検索すると、米林監督とカオナシが並んでいる写真も出てきますが、まぁ似ているような、そうでもないような・・・という感じです。笑

しかし、実は米林監督をモデルにカオナシが作られたのではなく、宮崎駿監督がカオナシのことを「まろ(米林監督のニックネームです^^)にそっくりじゃないか」と言ったことによって「米林、カオナシモデル説」が浮上したのだとか。

 

と言う訳で、カオナシのモデルとなった具体的な人物はいませんでした!

 

まとめ

人気アニメ映画「千と千尋の神隠し」のカオナシについて考察しました!

カオナシは

・個性がない

・コミュニケーションが取れない

・欲深い

などの特徴があり、その元となっているのは聖書に登場するサタン、現代の若者、人間の欲などではないかと言われています。

 

具体的なモデルはいませんが、米林宏昌監督に似ている、と宮崎駿監督が語っていました。

作中の重要なキャラクターであるカオナシの行動や心の変化にも注目しながら、物語を楽しんでみてくださいね!