シビュラシステムは、犯罪を未然に防げる万能システムです。 どのような仕組みなのかを考えると話が複雑なため、頭がこんがらがってしまう人もいるのでは? 今回は、 シビュラとはなにか 誰が作ったのか どんな仕組みな […]
シビュラシステムは、犯罪を未然に防げる万能システムです。
どのような仕組みなのかを考えると話が複雑なため、頭がこんがらがってしまう人もいるのでは?
今回は、
- シビュラとはなにか
- 誰が作ったのか
- どんな仕組みなのか
- シビュラの必要性
- 元ネタ
についてご紹介します。
Contents
PSYCHO-PASSシビュラシステムの正体
シビュラシステムは、犯罪が起きない世界を限りなく実現しています。
犯罪者の脳を使っているということは、アニメを見た方ならわかるでしょう。
しかし、
- 脳を使うことでどのような恩恵がもたらされるのか
- いったい誰が作ったものなのか
疑問に思うでしょう。
ここでは、シビュラシステムの正体を探っていきます。
そもそもシビュラシステムとは一体何か?
シビュラシステムは人間の生体力場を読み取り、対象の心理状態を数値化する包括性生涯福祉支援システムのことです。
本編開始から30年程前に実装され、大型のスーパーコンピューターによる演算によって科学的に導き出されます。
シビュラが導入されたことで、セラピーやサプリメントなどの心理療法が進歩しました。
潜在犯として認定される数値は100からです。
100を超えると隔離施設に連行されますが、300になってしまうと問答無用で殺処分となり社会から排除されます。
そうすることで、犯罪が起きた時に起こる周囲の人間への影響を抑え、数値の上昇を未然に防いでいるわけです。
さらに、シビュラシステムはその人の心理状態から、職業適性や恋人適正も診断してくれます。
すべての事柄をシビュラが診断してくれるので、市民はストレスのない快適な生活を送っています。
誰が作ったの?
シビュラシステムを誰が作ったのかは不明です。
おそらく研究者が作ったのでしょうが、システムを管理しているのが厚生省であること以外は明かされていません。
シビュラができる前は、世界は経済崩壊が起きており、紛争などが絶えませんでした。
日本もその影響を受け、国の機能を回復させるために行った職業適性を行ったのがシビュラシステムを作るきっかけです。
どのように作られたのかも不明ですが、作った人物は秘密保持のために厚生省に消された可能性が高いでしょう。
脳を移動できる!?シビュラシステムの仕組みとは
先ほど、シビュラシステムは大型のスーパーコンピューターによって動いていると説明しましたが、あれは嘘です。
表向きは、市民にそのように説明されています。
実際は、免罪体質者の脳をおよそ200も使用して、並列処理をしているのです。
そもそも、機械は単純な計算しかできません。
皆さんが使っているスマホやパソコンは、人間がいくつものプログラムを構成しているから使えるのです。
そのため、人の心という複雑なものを数値化できるはずがありません。
しかし、人の脳を使って心理状態を分析することで、シビュラシステムは犯罪係数を数値化する方法を得ました。
ではなぜ免罪体質者の脳を使ったのでしょうか?
それは、彼らは常人には理解できない考え・嗜好を持っているからです。
多くの免罪体質者は、本来なら犯罪係数が300を超えるのがあたり前の犯罪者ばかりです。
彼らは、普通の人とは異なる考え方や、感情を抜きにして物事を客観的に見る能力があります。
そのため、免罪体質者を取り入れ、柔軟性や分析力を高めることで完璧なシステムにしようとするのです。
シビュラが稼働している部屋は、いくつもの脳がクレーンによって移動させられています。
これについては、本編でもどのような意味があるのか明かされていませんが、おそらく場所ごとに担当する機能が分かれているのでしょう。
感情、能力、健康などでいくつか場所が区分されているのではないでしょうか。
その時によって最良の処理をするために、脳を移動させているのでしょう。
シビュラシステムはPSYCHO-PASS世界で必要なの?
シビュラシステムが必要なのかは、判断がしづらいところです
シビュラによって、本作の日本は苦労のない世界が実現しました。
朱が作中内で言っていますが、民主主義の国において、どうするかはすべて民意によって選ばれます。
犯罪者が世界を統一しているなどどう考えても倫理に反しているうえに、生理的にもうけつけないでしょう。
シビュラもそれは分かっているので、現在は公表する気がありません
シビュラの恩恵によって失業することも減り、結婚選びにも苦労しなくなりました。
しかしそれは同時に、自分の意思で選べないということです。
アニメ2期第1話で登場した潜在犯の男性は、適性がなかったためになりたい仕事に就職できませんでした。
「選ぶ」という権利が無くなった世界は本当に幸福なのか・・・。
このさき、市民がシステムの可否を問うとき、自身のなかに「選ぶ」という意思があればシビュラシステムの電源は落とされるでしょう。
しかし、シビュラによるストレスのない社会が最大の幸福と捉えられたとき、そのまま変化のない日常が続いていくのでしょう。
シビュラシステムは必要なのか。
それとも、必要のない正義だったのか…
ぜひ、自分で考えて選んでみてください。
それが、PSYCHO-PASSのテーマでもあります。
シビュラシステムの元ネタを考察
まずは、「シビュラ」の言葉の意味を見てみましょう。
「シビュラ」は、ギリシャ神話に出てくる神・ゼウスの息子であるアポロンの信託を受け、予言する巫女のことを言います。
アポロンは、オリュンポス12神に必ず名を連ねる男神です。
人の一生を左右しているシビュラシステムは、その名の通り、人々に信託を与えるモノと言えるでしょう。
ここで、シビュラシステムの元ネタになったと思われる作品を紹介します。
1つ目は、2002年に上演されたトム・クルーズ主演の『マイノリティ・リポート』です。
2054年のワシントンDC、3人の予知能力者によって犯罪を未然に防げるようになった世界が舞台の話です。
人を使って未然に犯罪を防ぐところは、シビュラシステムによく似ていますね。
2つ目は、フィリップ・K ディックが書いた短編集小説『シビュラの目』です。
題名作品の『シビュラの目』は、ローマ時代の記憶を持っている「私」が、現代を生きる話になっており、シビュラも託宣を与える存在として登場します。
ほかにも、AIがアメリカで政治を行っている『待機員』などが収録され、PSYCHO-PASSの世界観に通ずるような内容になっています。
まとめ
今回紹介した内容をまとめると、
- 人の心理状態を数値化している
- シビュラは免罪体質者が動かしている
- 厚生省が管理している
- 世界に必要かは民意が決める
- 元ネタは『マイノリティ・リポート』か『シビュラの目』
です。
シビュラシステムは、PSYCHO-PASSの世界には必要不可欠です。
たしかに、その実態は理解しがたいものでしょう。
しかし、システムによって日本が唯一の法治国家になったのも事実です。